発出番号: 平成30年3月26日 総行外第1号
発出者: 総務省自治行政局外国人住民基本台帳室長
宛先: 各都道府県住民基本台帳担当課長・各指定都市住民基本台帳担当課長
通称については,外国人住民の住民票の記載事項とされており,住民基本台帳法施行令に「氏名以外の呼称であって,国内における社会生活上通用していることその他の事由により居住関係の公証のために住民票に記載することが必要であると認められるもの」と規定しているところです。
今般,偽造された診察券及び雇用実態のない会社の社員証を行使する等,不正な手段によって通称を住民票に記載の上,同通称名義での国民健康保険証を取得しようとする事案が発生しました(電磁的公正証書原本不実記録未遂事件)。これまでも,通称については厳格な確認をお願いしていますが,上記事案を踏まえ,初めて通称記載を申し出る事案に係る留意事項を,下記のとおりとりまとめましたので通知します。
貴職におかれましては,下記事項に御留意の上,貴都道府県内の市区町村(指定都市を除く。)に周知されるようお願いします。
また,本通知は,地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項に基づく技術的助言であることを申し添えます。
記
1 基本的な考え方
住民票に記載する通称は,日本国内において社会生活上通用していることが前提となるものであり,これから使用しようとする(又は使用実績の乏しい)呼称を通称として記載することを求める等の創設的な通称の記載は,下記4の場合を除き,原則として認められない。
したがって,このような申し出がなされた場合は,下記2のとおり,国内における社会生活上通用していることが客観的に明らかとなる資料の提出を求め,住民票への通称記載の可否について慎重に判断する必要がある。
2 提出資料の厳格な確認
(1) 確認方法
住民票への通称の記載については,国内における社会生活上通用していることが客観的に明らかとなる資料等の提示を複数求める等により,厳格に確認を行うこととしている(事務処理要領第2-2-(2)-サ)。この確認は,住民票に通称記載を認める際の重要なものであり,一旦,通称記載がなされると,原則としてその変更は認められないものであることから,書類が提出されていることの形式的な確認ではなく,本人にその使用実績に不自然さがないか等,口頭確認等するとともに,疑義があれば,他の資料をさらに求めることや提出された証明書等の発行元に確認するなどの厳格な確認が必要である(偽造された診察券や事業・雇用の実態のない社員証等が資料として用いられるケースがある。)。
また,複数の資料を求める際には,その趣旨を踏まえ,資料の名称が異なっていて発行者が同じもの(例,社員証と在職証明書など)を複数資料として扱うことは適当ではない。
(2) 提出書類に係る考え方
- ア 国内における社会生活上通用していることが客観的に明らかとなる資料については,勤務先又は学校等の発行する身分証明書等の客観的資料を想定している(平成24年4月4日付け総行住第37号通知)。これは,当該通称が一般的に使用される場面として想定されるのは,主に勤務先や学校等(社会生活を送っている場所)であり,そこでの使用実績によって当該呼称でないと居住関係を公証する上で支障が生じ得るような場合に通称記載が認められるものであることによるものである。
そのため,通称記載を申し出る外国人に関し,その在留資格に則して,社会生活において当該呼称を使用していることが確認できる資料等の提出を求めることが適当であり(例えば,「留学」の在留資格の場合は,通学している学校において,当該呼称を使用している旨の証明書等を求める。),これが提出できない相当な理由がある場合を除き,原則として通称記載を認めることは適当ではない。 - イ また,領収書(公共料金の領収書を含む。),手紙等は,本人の申告等により作成可能であると考えられるため,これらのみを資料として通称記載を認めることは適当ではないが,これらの資料であっても,作成経緯,作成日付,提示点数,他の提示資料との関係,申し出内容との関係等によっては資料となり得るため,個々の事案に応じて総合的に判断する必要がある(例えば,学校からの成績証明書のほか多数の者からの郵便物が示された場合や社員証(在籍事実の確認済み)のほか,少なくとも半年程度,当該者(通称)宛てに公共料金が領収されていたことが確認できた場合等,その申し出内容との関係も考慮する必要があるが,資料として認め得る場合も考えられる。)。
3 「在留資格」及び「在留期間(満了日)」について
(1) 「在留資格」について
留学生や技能実習生から通称記載の申し出があった場合,当該者らの本邦において行うことができる活動内容は,原則として学業や技術,技能等の習得である。留学生のアルバイト(資格外活動)は主たる活動ではなく,また,技能実習生は,一定期間後,母国に帰国して技術移転を図ることを目的として来日していることから,これらの在留資格については,一般的に,居住関係の公証のために通称を住民票に記載する必要性は薄いものと考えられる。
また,通称不正記載の疑いのある事案は,留学生又は技能実習生からの申し出事案に多く見受けられるが,使用していない通称を住民票に記載することが法律違反になることを理解せずに申し出ている場合もあり得ることから,当該者(本人)が申し出内容を十分に理解しているかどうか,また,真に居住関係の公証のために住民票に通称を記載する必要があるかどうか等,上記2(1)及び(2)を踏まえ,慎重に対応する必要がある。
(2) 在留期間(満了日)について
通称記載申し出者の在留カードに記載されている在留期間(在留期限)が残り1~2か月で到来し,その後,帰国予定の場合は,居住関係の公証のために通称を住民票に記載する必要性は一般的に認め難いと考える。そのため,当該申し出者が,地方入国管理官署で在留期間(在留期限)の更新等の申請を行い,国内での滞在を希望していることを確認する必要がある(地方入国管理官署において申請を受理している場合は,在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に申請中である旨が記載されるため,この記載を確認する。)。なお,引き続き国内での滞在を希望していて,地方入国管理官署へ在留期間更新許可等の申請を行っていない場合は,当該申請を行うよう案内し,申請が行われたことを確認してから判断することが適当である。
4 身分行為に基づく通称記載の取扱い
上記1~3にかかわらず,国内における社会生活上通用していることの確認に代えて,親や身分行為の相手方等について,その氏名又は通称の氏等を確認する場合(住民基本台帳事務処理要領第2-2-(2)-サ-(ア))については,本通知の対象としない。
原本資料および権利関係について
- 原本資料(PDF): 20180326_soukougai_no1.pdf
- 権利関係:著作権法第13条第2号の規定に基づき著作権の保護対象外であるため、利用許諾の手続きを要さず、複製・引用・再配布等を行っていただけます。
- 備考: 掲載にあたり、原本からの電子テキスト化および一部レイアウトの体裁整理を行っています。
